横浜泉堂鍼灸院の妊娠中のトラブル

 妊娠中のトラブルはいろいろありますが、この時期は出来るだけ薬剤を飲みたくないものです。
1960年代に起きた「サリドマイド事件」以来、医者も患者も妊娠中の薬剤使用には大変慎重ですね。ではいざ色々な問題が起きた時、「我慢」するしかないのでしょうか?
いいえ鍼灸は古来より妊娠中の様々の問題に対して無害で効果的なケアーを提供してきています。



1.つわり


 つわりは妊娠初期に起こる体の異変です。吐き気がして嘔吐に至ります。唾液が増えて味覚が変化し、食欲が多くなったり、少なくなる人もいます。こうした症状が全くない人もいますが、中にはひどく重篤で苦しい状態が妊娠後期まで続く人います。


 
 西洋医学的には原因は不明です。漢方医学では胃腸系のトラブルと診て「太陰脾経」を中心に体を整えていきます。また吐き気、嘔吐の対処として足底にある「裏内庭穴」にお灸をします。
 
 お灸といえば「熱そうで私は何だか嫌だな・・」と思うかもしれません。でも安心して下さい。この穴はつわりが激しい時はお灸をしても全く熱さを感じないのです。10・・20とお灸を重ねてすえると徐々に熱を感じてきます。その頃には吐き気も収まり、胸がすーっと楽になってきます。


2.妊娠高血圧症候群(PIH)

 妊娠により血管内皮障害と血管れん縮(血管がぎゅっと締まる症状)がおきます。以前は「妊娠中毒」と呼ばれ、高血圧、タンパク尿、浮腫が3大症状でしたが現在では基準の変更に伴い浮腫は除外され、高血圧とタンパク尿があれば、確定診断されるようです。妊婦の5~10%に見られます。軽症であればよいのですが、重傷の場合にはママと赤ちゃんが危険な状態になることがありますので厳重に管理をされることになります。

妊娠前から血圧が高めの方、高齢出産の方、肥満、多胎妊娠、糖尿病などの基礎疾患を持つ方が妊娠高血圧症候群を起こしやすいので注意が必要です。そうした素因が無かったとしても過労や喫煙から発症する方もいます。

治療の基本は安静、食事療法です。本当に重症の場合は入院になりますので、鍼灸治療に来られる方は自宅療養が許されている程度の方が中心です。漢方医学ではこの病気の原因は腎の力の不足ですから、「少陰腎経」を中心に治療を行っていきます。薬物を使うことなく妊婦さん自身の体力を充実させる事を通してこの問題のケアーに当たっています。

もちろん十分な安静と高タンパク、低脂肪、塩分控えめの食事や下半身を冷やさない心がけも大切です。そうした
生活指導も含めて治療を行います。


3.腰痛

 腰痛も妊娠中によく起きる疾患です。放っておくと妊娠後期に坐骨神経痛へと発展していく方もいます。

 鍼灸は元来腰痛、坐骨神経痛の治療は得意としているわけですが、妊娠中でも問題なく施術できます。「妊娠中に腰に鍼をしても大丈夫なのだろうか?」という素朴な疑問を持たれる方もいらっしゃるようですが全く問題ありません。鍼灸は2000年を越える歴史を持っており十分に安心できるものです。妊娠中にはいくつかの禁針穴を避けて施術いたします。
 
 又当院では腰の痛みであってもご希望であれば腰そのもではなく足のツボに施術して痛みを緩和する方法も行っています。妊娠後期であれば俯せが無理ならば横臥位(横向きの姿勢)にても施術致します。どうぞご安心下さい。


4.逆子

 鍼灸が逆子の治療に極めて有効であることは近年非常に有名になってきました。病院の産婦人科の先生方にも広く知られてきていて当院でも婦人科の先生の御紹介で逆子の治療にあたることがあります。
 「漢方鍼医会」の会員の中には産婦人科と連携して特別に多くの逆子治療の経験を積んでいる先生がいらっしゃるのですが、その方のお話では「過去3年間で1500例の治験があり、そのうち1000例が成功。」との事です。成功率66パーセントは私の実感とも符合します。治療がうまくいかない方は帝王切開の際にその原因が判明することがあります。「臍帯が首に巻き付いていた」「単殿位、複殿位であった」「子宮口の脇に小さな筋腫があった」といったケースがありました。
 治療は全身調整に加えて「三陰交穴」「至陰穴」へのお灸をします。このお灸はほとんど熱くありません。数回やって改善がなければそれ以上しつこくはやりません。30週までは赤ちゃんが小さいので成功率は高く、それ以降は段々難しくなっていきます。



6.安産のお灸

 「安産のお灸」は古来行われているものです。安定期以降にくるぶしの少し上にある「三陰交穴」にお灸をしていきます。その名の通りに子宮口の関節や筋肉を柔らかくして安産に導いてくれる治療です。実際に経験された方によると「つきたての餅の様に柔らかくなる」と感じる方もいらっしゃいます。(患者様の声.3)このお灸はさらに母体の健康維持、生まれてくる赤ちゃんの健康増進の効果もあります。全身の調整をする「漢方鍼治療」と共にこうしたお灸を行います。こうしたケアーを受けて生まれてきた赤ちゃんの多くはアレルギーのない健康な体で生まれてくるようです。
 お灸は治療院に来た時に施術しますが、お家でも出来る様、指導も致します。今はシールのついた簡単にできるお灸などもありますので、大抵の方がやり方を覚えて直ぐに出来る様になります。



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